The Write Less, Think More.

黄昏の猫背の戯言

Re:アジャイルサムライDevLOVE道場二周目 第一回 インセプションデッキ(前編)

先日ツイートした通り,やっとアジャイルサムライを読み終えた小生.
意気揚々と早速現場で!!!
と突っ走っても辱めに遭うのが見え見えなので,
どこかでリアルな現場の話を聞けたり,ワークショップ的に実践できる勉強会はないかと探していた折,
ありました,どんぴしゃで.
知る人ぞ知るDevLOVE主催の勉強会です.
http://www.zusaar.com/event/368007

ということで例によって例のごとく“ブログを書くまでが勉強会”ということで,
簡単にレポートエントリを上げたいと思います.
ちなみに今回は
 インセプションデッキ(前編)
とある通り,

プロジェクトに対する期待をマネジメントするためのすぐれたツール”(アジャイルサムライ P43)

としてアジャイルサムライの中でも紹介されているインセプションデッキの10の設問と課題の内,

  • 我々はなぜここにいるのか?
  • エレベーターピッチを作る
  • やらないことリストを作る

を取り上げた会でしたので,
勉強会での進行の様子,その中で議論したこと,感じたことなどを書いてみようと思います.

全体の流れ

今回の勉強会は平日の19時ごろから開催される勉強会と違って,
土曜日のお昼から夕方までガッツリでした.
流れとしては,

  1. イントロダクション
  2. チーム決め・自己紹介
  3. 我々はなぜここにいるのか?
  4. エレベーターピッチを作る
  5. やらないことリストを作る
  6. クロージング

といった具合です.
インセプションデッキはそれぞれ1時間程が確保され適宜休憩を挟みながら,
 チーム内でディスカッション
  ↓
 各チームのディスカッション結果をシェア
  ↓
 それを踏まえて更にディスカッション
というように進んで行きました.

また後(懇親会)で伺ったのですが,
このアジャイルサムライDevLOVE道場の2周目を開催するにあたり,
幾つか1回目の反省が踏まえられたとの事.
具体的には,
今回構成されたチームにそれぞれ運営サイドの方が各チームに“プロダクトオーナー(PO)”としてディスカッションに参加するという改良
が加えられており,
イントロダクションで創設者の@papandaさんもおっしゃっていた,
実際に使って(考えて)みて素振りをすることに重点を置く,
“道場”と銘打つのも納得な構成になっていました.

チームは普段,SIに従事している参加者,サービサーとして働いている参加者でチーム分けがなされ,
POを含め大体6名程のチームが2チームずつ作成されました.
我々は紆余曲折?あって,武蔵小杉ザムライチームでした.

また,
チーム間のディスカッションテーマの差異をなくす目的で,
以下の様なシチュエーションが設定されました.

  • チームメンバーは全員,中堅旅行販売店の社員である
  • 価格競争を余儀なくされ,業績は伸び悩んでいる
  • 経営陣から同社企画部に対し,中高年をターゲットとしスマートフォンを販路とした売上を拡大するよう指示が飛んだ
  • POは企画部に在籍している
  • POが開発部に上記の相談を持ちかけた

このシチュエーションを前提とし,勉強会が進んでいきます.

我々はなぜここにいるのか

今まさに自身が席を置くプロジェクト・案件を思い浮かべ,我々はなぜここにいるのか?と問いかけた場合に,
明確に,自信を持って答えられる人が一体どれくらいいるのでしょうか.
もっと言えば,
その問の答えは,プロジェクト・案件に関わるすべてのメンバー間で等しいものなのでしょうか.
チームの存在意義,PMBOKで言う所のプロジェクト憲章に掲げられるプロジェクトの目的は,
スポンサーでもあるPOの意向を的確に汲み取らなければなりません.
チーム内の議論においても,
POが明確に答えを持っているわけではありませんでしたし,
POがやりたいと言ったことは,
上司から言われただけのこともあれば,
前言と比べると矛盾している(ように聞こえる)こともありました.
ましてやその背景まで語られるような事はほとんどなく,
“なぜ”を深掘りしていく必要があります.
にも関わらず我らが武蔵小杉ザムライも,
POのやりたいことに引きづられ,“Why”ではなく“How”が議論の中心となってしまいました.
また本来答えるべき
“我々はなぜここにいるのか”
という問の答えに繋げにくい議論(例.なぜ中高年なのか?なぜ◯◯という事がやりたいのか)に終始してしまいました.
これについては議論の後のチーム間共有を受けて,
例えばどのような答え(模範解答?)があるかをフィードバックして欲しいところでした.

エレベーターピッチを作る

プロジェクトやアイデアの本質を素早く伝えるために必要なものすべて”(アジャイルサムライ P58)

が表現されるエレベーターピッチは,
社会人1年生が新入社員研修で学ぶ“要点を簡潔に伝える”といった類と同様のもので,
何もプロジェクトやアイデアに限った話ではありません.
今回はアジャイルサムライの中でも紹介されているエレベーターピッチのテンプレートに従い,
プロジェクトで創るプロダクトの定義を議論していきました.
ただ,
“我々はなぜここにいるのか?”がしっくりこないまま突入してしまったこともあり,

  • 潜在的なニーズ
  • 抱えている課題

についてはすぐに答えを出すことができませんでした.
それを受け,既に議論していた中で合意がとれていると思われる部分から優先的に認識を合わせ,
最終的な筋が通るよう調整していきました.
特にエレベーターピッチのテンプレートが埋まるたびに全体を復唱することで,
チーム内での認識を合わせるのみならず,ストーリーの妥当性を確認できたのは成功した点だったと感じます.
この議論を踏まえた後でのチーム間シェアでは様々な利点・機能を持つプロダクトが上がりましたが,
オススメの旅行プランを提示することに工夫を凝らしたチームが多かったように感じます.
それと比べ自分達のチームが議論して出した結論は,
“プロダクトの利用者に旅行プランを作ってもらう”
というものだったので(手前味噌ですが)特徴的だったとは思いますが,
小生が発表した際,それをうまく伝えきる事ができなかったのは反省点でした.
また,
チーム間の共有後再度ディスカッションを行った際,
議論しきれなかった部分や,うまく伝えきれなかった部分を掘り下げて議論することができたため手応えがあったのですが,
それを再度チーム間で共有する時間が設けられなかったのはやや勿体無く,消化不良のように感じました.

やらないことリストを作る

3つ目に取り上げて議論したインセプションデッキは,

プロジェクトのスコープへの期待をマネジメントする”(アジャイルサムライ P63)ための“やらないことリストを作る”

です.
ここではこれまで議論した内容を踏まえ,

  • やること
  • やらないこと
  • 後で(「やる」か「やらない」かを)決めること

としてフィーチャを挙げていきます.
どのチームもそうだったとは思いますが,
最初のディスカッションではやることばかりが挙げられ,スコープがどんどん拡大していく有様でした.
それを受けてチーム間共有後には,
そこでのスコープをどのように減らしていくかを考えなければならない,というフィードバックがありました.
例えば

  • 予算
  • 納期
  • 機能の重要性
  • 実現性

といったこと考慮するということで,
小生のチームにおいても,
“まずはコア機能を搭載したβ版を作成する”
という前提でスコープが絞りこまれて行きました.
これについては,ディスカッションも後半でチーム内の役割も打ち出されてきたということもあり,
スムーズに議論できたように思いました.

振り返りと所感

3つのインセプションデッキを議論した後は,
議論の内容や進め方などの振り返りを行いました.
振り返りは(どちらかと言うとプロジェクトファシリテーションの分野として言われることの多い)KPT(Keep,Problem,Try)に従って進めて行きましたが,
主に以下の様な振り返りが挙がりました.

  • KEEP
    • チームメンバが満遍なく発言できた
    • 少ない時間にも関わらず個々の議論ができた
  • PROBLEM
    • 前半のディスカッションにおいて,議論内容や目的を共有できていなかった(回し役不明瞭)
  • TRY
    • まわし役を(順番にやるなど)決めてしまう

勉強会を終えてからの渾身(懇親)会では挨拶も程々に,
普段どのような仕事をしているか,
今回どのような想いで勉強会に参加したか,
で,アジャイルってどうよ?
といった話題が中心で個人的には楽しませて頂きました.
#小生が色々disってたってのは置いておく
この手の懇親会で様々な参加者の方と話していて常々感じるのは,
環境,マインドセットなどが皆それぞれで双方に恵まれている部分,そうでない部分が必ずある
ということ,また,
それを知っているだけでも選択肢や視野が広がる
ということです.
特に今回の勉強会は,
週末の貴重な時間を数回割いてでも参加したいという意思を持って集まった稀有なパワーのある方々ばかりなので,
業界への問題意識だとか改善意欲の高さだとかが似通っていたりすると,
まぁアリテイに言えば居心地が良いわけです.
その分現場に帰ってもがき苦しむ,といった事がないとは言い切れませんが,
それもまた試練であって,もっといえば,最終的なゴールはそこにあるはずです.
巷ではいまだに知らないなんてありえない病なんてのが流行中だそうで,
当然,アジャイル開発で万事解決タカノリ的にもオールオッケーローラもハッピーとはいきませんが,
今後も継続して開催されることになるこの勉強会,
積極的に吸収して帰りたいと思います.
あわせてこのアジャイルサムライ,
この業界に身を置くのであれば,是非手に取って読んで欲しい1冊です.

自分のPCでゴニョゴニョしにくいので,rackhubがどんなもんか試してみた

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残念ながら今月末でfluxflexがサービス終了を迎えてしまうこともあり,
気軽に自分用PukiwikiWordpressを稼働させる環境を探している今日この頃.
イチから構築して,,,というよりもまずはさくっと稼働させたい!という思いから
ひとつの候補として同じくfluxflexが提供する「rackhub」を試してみました.

結論を先に行ってしまうと,

  1. fluxflexと同様の機能は揃えて欲しい
    • 各種アプリケーションの簡単インストール
    • Github連携
  2. ドキュメントを充足させて欲しい
  3. プランを充実させて欲しい

といった点が挙がります.
ただ,自分のPCを汚さず(?)Linux環境を使用できるのは十分な強みで,
非力なWindowsマシンを使っている方などにはオススメかと.
ちなみに自分の場合,

です.もう5年も前のものなので,そろそろ買い替えですね(Macデビューかな).

いじりかた

大まかな流れは以下の通りです.

  1. アカウントを取る
  2. Rackを作成する
  3. 公開鍵を設定する
  4. 接続確認する

これだけで自分用の環境が手に入り,
WEBサーバをたちあげてアプリケーションを公開することももちろんできます.

アカウントを取る

クレジットカード情報が必要です.
登録は
ページヘッダー>設定変更>お支払い履歴・設定
から.

Rackを作成する

MyRacks>新規作成ボタンからRackを作成していきます.
名称・説明・プランを選択して新規作成ボタンです.
継続利用する気がない人は無料お試しにチェックを入れましょう.
特に難しいオペレーションはありません.

自分は標準RackX1を選択しました.

公開鍵を設定する

設定に向けて,公開鍵を準備します.
コマンドプロンプトを立ちあげて,.sshへ.

>ssh-keygen -t rsa
Generating public/private rsa key pair.
Enter file in which to save the key (/c/Documents and Settings/user/.ssh/id_rsa)
: 任意の鍵名(rackhubとか)
Enter passphrase (empty for no passphrase):パスワード
Enter same passphrase again:パスワード

うまくいけば,

Your identification has been saved in rackhub.
Your public key has been saved in rackhub.pub.
The key fingerprint is:
d1:**:j5:8f:a3:09:a6:f3:0f:a3:39:*8:74:*5:30:4a user@YOUR-4EC0ED6444

といった具合に出力され,同じディレクトリに公開鍵(今回の例であればrackhub.pub)が作成されます.

公開鍵ファイルをエディタなどで開き全てをコピーした後,
サイトのページヘッダー>設定変更>公開鍵の設定で公開鍵を追加します.

接続確認する

ページヘッダー>MyRacksから先ほど作成したRackを選択し,
Rackの概要に記載されたSSH接続方法を確認します.
例えば
ssh rackhuber@hoge.rackbox.net -p 80 -A
であれば,
コマンドプロンプトから

ssh rackhuber@hoge.rackbox.net -p 80 -A -i .ssh/rackhub

とやります.ちなみに-iの後ろには,鍵のパスを記載してあげましょう.
初回の場合ホストの追加を求められるかもしれませんが,気にしなければ許可して構いません.
パスワードを入力してあげれば,接続できます.
サイト紹介ページにも書いてありますが,Ubuntuなんですねこれ.
少し見てみると,node.js,ruby,nginxなどもろもろ入ってます.

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ちなみにnginxを立ち上げる場合,

sudo nginx

だけでいけます.
ちょっと前話題になったgithugなんかも,楽々インストールできます.

感想

ということで,さわりの部分をエントリとして紹介しました.
で,自分の場合はfluxflexの代替という観点でどうしても見てしまうので,
それと比べるとやはりアプリケーション公開までの手順は相当煩雑な印象を持ちます.
せめて

  • fluxflexで用意されていたアプリケーションについては画面から簡単インストール
  • Githubでのhook連携によるアプリケーションデプロイ

くらいは用意して欲しいところです.
それとあわせて,基本的なものも含め公式ドキュメントがほとんどないのがハードルを上げる要因になってます.

  • 接続設定・確認
  • 専用ユーザの追加
  • ファイル持ち込み

についてはチュートリアルがないと,手順忘れたりしないか不安です.

確かに色々入っているLinux環境は簡単に手に入れられますが,
仮に出来る人であっても何がどのようにインストールされているのかを現状把握するところから始めざるを得ず,
そうする構築する手間とあまり変わらないのではないでしょうか.
また自分のように,

をここで稼働させるとなると,
“公開するサーバとしてのスペック”をあまり期待できないように見えるのがカナリ痛いです.
CPUコア数・RAM・ディスク容量あたりを見ると,
それこそさくらVPSの方がプラン・マシンスペック的にもいいよね,という話になります.
なのでrackhabに関しては,
開発サーバ向けプランを今よりも低価格にして公開向けのプランを別に用意してもいいのでは,と思います.

総じて,,,
ビジョンには共感するので,
“非力なWindowsPCユーザをうまく取り込める仕掛け”
を頑張って欲しいところですね.

もうしばらく使ってみます.

参考

初心者も悩まない。rackhubで簡単rails3分ローンチ開発のススメ!
http://hatone.hateblo.jp/entry/2012/03/13/161136
Rackhub用の公開鍵の登録方法 (一部Mac向け)
https://gist.github.com/2425005

Windows XP の起動が速くなる(かもしれない)Tips

小生のPCは購入から早5年のWindowsXPのSONY製 VAIO type F light(FGN-FJ92S).
メモリ4GB化,SSD投入などを実施しここまでやってきましたが,
某雑誌に記載されていてなるほどと思い試してみたことがあったので備忘録がてら紹介したいと思います.
今回は,Windows XP の起動スピードを上げられるかもしれないTipsです.

大まかな手順は下記の2つです.

  1. 肥大化したアップデートログの削除
  2. レジストリ最適化

なお本エントリに基づき作業したことにより損害が発生しても当方は一切の責任を負いません.
全て自己責任でお願いします.
それでは行きましょう.

アップデートログの削除

サービスパックや月次のWindowsUpdateなど,
5年も使い続ければカナリの数になっているはずです.
それにより肥大化したログを小さくすれば起動が早くなるかも,というのが一つ目.

  • コントロールパネル>管理ツール>サービスから,「Automatic Updates」を選択,サービスを停止する
  • 「C:\WINDOWS\SoftwareDistribution\DataStore」にある「DataStore.edb」を削除する
  • 再度,前述したサービスを起動する

たったこれだけです.
サービス起動後,同じファイルが再度作成されればOK.

レジストリの最適化

インストール/アンインストールを繰り返しているとありがちなレジストリの“汚れ”を是正するのに便利な「CCleaner」ですが,
そこから更にもう一歩踏み込んで現状のレジストリを最適化しようというのが2つ目.

  • CCleanerを用いて,レジストリの問題点を解決する
  • NTREGOPTを下記サイトからダウンロードし,インストールする

   http://www.altech-ads.com/product/10001071.htm

CCleanerで綺麗にしておく,というのがポイントかと.
そもそもCCleanerを知らない人はこれを機に導入するだけでもPCのメンテナンスに一役買ってくれます.

果たして,効果の程は

before,afterで実測したわけではないですが,早くなってる気がします(10秒くらい?).
XPのサポート切れもあるわけですが,
動画や写真の加工・エンコーディングなどをやらないユーザーであればまだまだバリバリのWindowsXP.
少しでも長く使うためにも,
大型連休を利用してメンテナンスしていきたいものですね.
とは言え,
そろそろ(今更)開発マシンとしてMacが欲しくなって来ました,
もうすぐ新作発表あるかな?


Re:これからのエンジニアリングの話をしよう ~SIerから出るキャリアパスを考える~

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ベンチャーカフェさん主催,HGCやすを氏プロデュースの
第2回:SIerでのキャリアパスを考える ~ここにいても大丈夫?SIerのメリット・デメリット~
に引き続き,
第3回:これからのエンジニアリングの話をしよう ~SIerから出るキャリアパスを考える~
に参加してきました.
http://venturecafe.jp/event/engineering/2119/

ということで簡単に,勉強会の締めくくりとしてブログレポートをアップしたいと思います.

経緯

今回参加したのは,
開催場所がグランサウスタワーにあるリクルート本社ビルであり会社から近かったこともありますが,
パネルディスカッションにスピーカーとして参加されていた萬田さんと知り合いだったからというのが理由の一つです.
実は第2回イベントに萬田さんが参加されていて,
ワールドカフェで同じ席となったことがきっかけで連絡先を交換していました.
その日の終わりに,“第3回でしゃべることになりました!”なんて話をされていたので,
これはもう参加させてもらうしかない,と.
ちなみに,前に同じプロジェクトだった会社の先輩も参加されてまして,
趣味嗜好が近いとよくある,所謂世の中狭い,です.
グランサウスに到着し受付を済ませた後,
ガラス張りのエレベーターやセキュリティーゲートを乗り継ぎながら会場のある33階へ.
会場に到着すると4人掛けテーブルが20程,正面には大型スクリーンが2枚と,
これは流石に天下のリクルート,お金かけていらっしゃる.
ヒカリエにできたDeNA本社といい,移転したmixiといい,
ファシリティの充実は現場社員のテンションであったり対外的な印象を引き上げる十分な効果があるという恒例ではないでしょうか.

SIerから出るキャリアパスを考える」スピーチ&パネルディスカッション

まずはベンチャー・カフェ主催者の方から趣旨の説明.
このイベントの趣旨は,

  • 何がやりたいかを明確にする
  • そのために“考える機会”を提供する

というものです.
前置きもそこそこに,いつもの通り(?),サングラスをかけてHGCやすを氏登壇.
ひがさんとしては,

エンジニアが生き生きと仕事をするにはどうしたらよいか

が思いとしてあり,この会をプロデュースしている目的でもあるとのこと.
前述の趣旨を踏まえる一方で“転職を目的とした会ではない”ことをフォローしつつ,
スピーカーにバトンを渡します.
自己紹介もそこそこに,
早速SIerから出ようと思ったきっかけ,SIerから出てみた現状はどうか,についてのPDがスタート.

リクルートの志賀さんは,
元々50~300人月相当のプロジェクトに在籍しマネージメントも経験したが,
特に,

仕様の決めに対する遅さ

作ることが仕事になっている

クライアントのビジネス課題が解決されたのかを見届けられることが出来ない

ということに,閉塞感のようなものを感じたとのこと.
仮に会社に留まるとしても,

  • アサインに自身の意思決定が(反映され)ない
  • クライアントを選ぶことができない

ことも,一因だったそう.

BtoBからBtoCになり,
“あれ,俺がつくったんだぜ!”
が言える機会が得られたことで,単純に満足感があったのだとか.
それに対し現在株式会社アプレッソ代表取締役兼CTOの小野さんは,

作りたいものを作っているので,それに対して胸を張れる

とBtoBという立場からフォロー.
一方リクルートの萬田さんは,SIerに不満があったわけではないとのこと.

また,
海外で仕事をする中でキャッチアップしていく過程をドラクエのレベル上げに例え,
そのレベル上げに行き詰まったこと,
自身が海外で経験した事を日本で実現したかったこと
がキャリアパスを考えるきっかけになった,というのが先程の小野さん.
とはいえ,
起業だったこともあり,“若かった”とも.

さらに,

SIerで“やりきった感”があり,同じ事の繰り返しであるように思えた

さらなるレベルアップを図りたかった

と語ったのが萬田さん.なぜリクルートを選択したか,という質問に対しては,
衣食住など,自分の生活に密着した業務形態だと感じたからだとか.

そこから,
SIerから出る際にはどのような選択肢があるか,という話へ.
ひがさん曰く,

  1. 別のSIer
  2. ユーザー企業(事業会社)
  3. 所謂,Web系

があり,
特に2については,以下のような観点から会社を選ばなければならないとのこと.
それは,

  • 何かチャレンジしようとしている会社か否か
  • “新しい事”に価値があると認めてもらえる会社か否か

という点です.
これは,仮に事業会社であったとしても過去の成功体験に引きずられ保守的になってしまうケースもあるためで,
特に金融システムのユーザー企業の場合それが顕著になり,大変そう(こっちはもっと大変だけど),と会場の同意と笑いを誘うひがさん.

PDも後半にさしかかり,会場参加者の希望を考慮したトークテーマへシフトしていきます.
内容は,“SIer出身者はどのような業界を目指すのがよいか?”というもの.
それに対しまず,

業界と言うよりも,企業風土が大切

という意見で口火を切ったのは志田さん.
志田さん自身リクルートは通過点だと考えているそうで,

  • 何を目指したいのか
  • どういった環境が心穏やかでいられるのか

を重視して業界も選択すべきとのこと.
例えユーザー企業であっても部署によってバラバラ
(実際志田さんはアーキテクチャ開発中心,萬田さんはサービス創造中心)であり,
会社内での部署と,
自身のやりたいことを照らし合わせることの重要性が言及されます.

そこから話は,実際に転職する際には,といった内容に.キーワードは,“ラストマン”.
もし業界が気に入っていて,現時点でのスキルを活かしたいと考えるのであれば,
(私が御社に入社することで御社の)弱点を補える,という強気なアプローチもアリだ,
というのは小野さん.
ソーシャルネットワークが盛んなこのご時世,
それこそスモールワールド理論に倣ってツテなりを辿ってまずは話を聞いて見ることが大切で,
転職するかどうかはその先の話である,と言います.
東急ハンズIT企画部長の長谷川さんを例に挙げ,
他の求職者に埋もれた“OneOfThem”とならないよう差別化を図るべきで,

  • これまで自身で立ち上げたサービスがある
  • ◯◯のコミュニティでリーダー格である

などといった点があればなおポイントになりやすいとのこと.
また仮にそのような“明らかに優れた”部分がなかったとしても,
チーム内,部署内で,“あいつに聞いてダメならダメなんだ”と思わせる“ラストマン”を目指していれば,
十分な差別化になり得るので,採用の際も考慮に値するのだとか.

と,この辺りで時間いっぱい,ひがさん,スピーカーの皆様,ありがとうございました!

ワールド・カフェ&懇親会

で,ワールドカフェです.
今回は冒頭の写真にあるように
“やる気を持って仕事をするためにはどうしたらよいか”
というテーマ.
あくまでワールドカフェなので,
答えを求めたりディスカッションしたりするわけではなく,
ざっくばらんに各々の想いを共有していきます.
自分たちのテーブルのメンバーは比較的高めのやる気だったのですが,
他のテーブルではやる気5%,30%なんてのもチラホラ.
テーブルメンバーにスピーカーの志田さんがいらっしゃったこともあり,

  • 企業風土があっている(会社で働く)
  • 自分の裁量で仕事を遂行する
  • スキルアップや差別化,ラストマンにつながると考える

といった内容が自分たちのテーブルでは上がりました.
写真の,“クライアントとの相性”というのはまぁご愛嬌ですかね.

懇親会は,同ビル最上階のリクルート社員食堂.
当然内装もしゃれおつで,立食形式でアルコール片手に東京の夜景を見ながらの親睦となりました.

小生なりの解釈

前回参加した際もそうでしたが,
普段業務に当たる中で忙殺されてしまうと忘れがちな,

  • 仕事に対しての目的意識
  • 自分が目指したいベクトル

といった,考えることにフォーカスできるいいイベントだと思います
(その反動で不安感に苛まれる,といったことも多少ありますが).

特に冒頭でひがさんが話していた,

不安を解消するために何をすべきかではなく,より小さい不安でいられるためにはどうすべきか

というのは納得する所で,
隣の芝生は青く見えるという理由で転職しない,
ということを頭の片隅に置いておくべきではないでしょうか.

で,同業他社の皆さんの話を聞いていると,
自分は恵まれたSIerにいるなぁ,と思うわけです.
所謂,工程の分断もなく(もちろんロールの違いにより作業者が異なることはある),
ビジネス課題を解決するための高付加価値システムをお客様に届け,それをサポートし続けることが
中の人としてやらなければならないことなわけです.
給与についても,年功序列でマネージメントしか昇給しない,ということもなく,
ロールとタイトルが独立しており,給与はあくまでタイトルに紐付くという点については,
有名無実な評価制度ということも全くありません.
これはひとえに創業以来の企業風土が具現化したものであり,
今後現場の人間が伝播させて行かなければならない部分なのだと思います.

すると,
“やる気を持って仕事をするためにはどうしたらよいか”
という点ではどうでしょうか.
結局のところ,

自身の気持ち次第

というのが小生の結論です.
確かに,新興Web系企業の新オフィスにあるような充実した設備には憧れるし,
新しい技術でどんどんサービスを生み出して,,,
というのはいつかやりたいし,やらなくてはならないことだとは思っています.
が,
某予備校講師に“いつやるの?”と聞かれても,
“今でしょ!”とはならないなぁというのが正直な所で,
SIerを,そして今務めている会社を見切るのはもったいないのかなと思ったりするわけです.
まだレベル上げきれてないですしね.

あぁいった会に行くとどうしても近視眼的になり安直にSIerだから出なきゃダメだ,と結び付けがちですが,
自身の環境を冷静に分析して,
少しだけ踏み出してみることが大事なのかな,と思ったりします.
鶏と卵の話ではありませんが,
動き出せばやる気にもなるし,やる気がでれば面白くなって好循環になるのではないでしょうか.
もちろん,

いざその時のために“懐刀”をどう磨いておくか

は当然考えたうえで行動しなければならないところですね.

※ちなみに前回レポートはこちら
http://tasogarenonekoze.hatenablog.com/entry/2012/03/11/151704

新社会人ITエンジニアに向けた高速道路を用意したい~Re:プログラミング・ハイウェイ~

しばらく仕事中心で,
自宅でPCを開けてすらいませんでしたが,
そうこうしているうちに社会人歴4年目に突入してしまいました,もう4月です.


ということで,
小生の会社にも明日,新入社員が入社してきます.
以前このブログでも書きましたが,
新卒採用や内定者研修なんかを担当していたため彼らには思い入れも多少あります.
それとは別に,
個人的にIT系の記事がそれなりに溜まってきました.
たかが3年,されど3年,です.


そこで今回は,
小生がITエンジニアとしてやってきたこれまでの拙い経験を踏まえて,
この時期によく見られる
新社会人ITエンジニア向けエントリをあげてみたいと思います.
目指すのは昔話題になった,プログラミング・ハイウェイ,というやつです.
要は先輩図ですね,わかります.


また,
小生の周辺にはさらに加筆修正できそうな人がわんさかいるので,
ツッコミ大歓迎です.


【想定読者】

想定している読者は,以下の通りです.

  • IT業界で働く(働きたい),プログラミング経験などの少ない内定者・新入社員
  • 基本的な文法は理解している情報系の学生

よぉ,俺.
現時点でこのブログを購読されている奇特な素敵な方々にはおそらく当てはまらないかと思いますので,
そこはひとつ,
ソーシャルボタンをクリック,クリック!(露骨)


【コンピュータ基礎を押さえ,学び方を学ぶ】

初心者・初学者にありがちなのが,

「何を勉強してよいのかが分からない」

というものです.
ただそれは,
単にコンピュータって何やねんと,
全体のイメージを持てていないことに起因する場合が多いためではないでしょうか.
なのでそういった時には,
IPAのITパスポート・基本情報技術者試験
にでてくる単語や問題を通して基礎固めを行うことが効果的だったりします.


と同時に,

わからないことをWEBや本で調べる習慣とそのテクニックを身に着けておく

ことが不可欠で,
わかるところまでレベルを下げながらインプット(とアウトプット)を繰り返していくことが大切です.
またIPA情報処理技術者試験の勉強を進める上で大切なのは,
知識を蓄えることを重視し,資格を取るための勉強に走らない
ことです.
逆に情報系出身であれば基本情報技術者程度なら
卒業できる学力があれば当然受かるので,
自身の知識を総動員してフルスコアを狙って欲しいと思います.
参考までに小生の例を上げると,

  • 入社前:ITパスポート,基本情報技術者
  • 入社後:応用情報技術者(2年目秋)

といった具合に勉強・合格してきました.
同期を見ていても,
LPIC,オラクルなど,個人の興味にあわせて進めているように感じます.


またベストセラーとなり今でも本屋に並び続けている,
「コンピュータはなぜ動くのか」
あたりを通読して体系的に理解することもオススメです.
この基礎知識が,初期のラーニングカーブ立ち上がりにカナリ効きます.


【ITエンジニアの必読書~達人プログラマー~】

IT系書籍の中で,
自分のITエンジニアマインドに最も火をつけた本がこの,
「達人プログラマー システム開発の職人から名匠への道」
です.
この本は達人には程遠い小生にも親しみやすく,
それでいてモチベーションをあげてくれる最高の一冊だと思っています.
コーディングテクニックなどはほとんど述べられていないかわりに,

  • あるべきマインドセット
  • やるべきアクション

が明示されているので,
ITエンジニアとして,プロフェッショナルとしてやっていくのであれば
仕事としてプログラミングに携わる,携わらないによらず読むべき本です.
少なくとも,

読んでない奴は職業プログラマーやっちゃダメ

なのではないでしょうか.
もちろん読後,実践するのが達人への第一歩なのは言うまでも有りません.


【文法をひと通り理解したら,テキスト以外のインプットを増やす】

プログラミングについて基本的な文法を理解した後にやることは
端的にいうと以下の2点だと思います.

  • コーディング規約の把握
  • コードリーディング

一般的なコーディング規約を知っておくことはもちろん,
他人の(特に出来る人の)コードを読むと間違いなく一皮剥けるのではないでしょうか.


前者については,
ISIDがJava向けにコーディング規約を出していますし,
アサインされた開発案件によっては,
チーム内やライブラリ内でのコーディング規約やフォーマットが存在することもあるので,
もちろんその都度確認する必要があります.

後者についてエレガントなコードを書きたい,ということであれば導入編として,

  • 「良いコードを書く技術-読みやすく保守しやすいプログラミング作法」
  • 「コーディングの掟」

あたりが読みやすく,いいのではないでしょうか.
更に言えばコアAPIの実装に目を通すとかGitHubで適当にForkするとか,
その気になればいくらでもお手本は転がっているはずですが,
こちらの記事が詳しすぎるので一度目を通すとよいでしょう.
一歩先行くJavaプログラマが読むべきオープンソースソフトウェア10選

ただこれは正直自分もできていないので,どちらかというと自戒の意味を込めています.
Javaプログラミング,オブジェクト指向については,
また別の機会に書きたいと思います.


【食わず嫌いせず,引き出しを増やす】

特に新人の頃は,
与えられるタスクによって得られる知識・経験が異なる
「受け身型キャッチアップ」
になりがちで,
3年もたてばそれが成果として表れ,
下手をすれば同期同士での会話が咬み合わないことが散見されます.
とはいえ若手のうちは知らない事が前提で
知っていることなんてまぁ期待されていません.


なので,

できるためにはどうするか,行き詰まった時にどう解決するか

に焦点を当てる必要があります.
具体的にはクソ忙しい有識者をうまく捕まえるだとか,
上席にエスカレーションする(当然,ただ「わかりません」では報連相でない)ことでタスクを遂行していくことがポイントかと思います.
正直,
こういうことを意識せずにただがむしゃらに頑張る若手は,
空回り感が激しく写ります.
挙句,憔悴しきって,,,orz


閑話休題.


特に
自分の知らないツールや技術を使う必要があるタスクに積極的に取り組むことで,
キャッチアップしながら相応の質を伴うアウトプットまで実現することができます.
これは,
努力と自己満足で終わりがちな単なる勉強とは完全に一線を画します.
自分の引き出しを増やし色々なことをやっていく中で,
自身のやりたいこと,興味のあることを見極めていくこともひとつのやりかたではないでしょうか.


【Don't repeat yourselfの勘所】

これは達人プログラマーにも出てくる一節ですが,
元々の意味は各自で確認してもらうとして小生からは,

この業界に身を置く者として,もっとITを信じてみよう

と提言したいと思います.
例えば
こんなことできないかなぁとか,いつも同じ作業やってんなぁとか感じた時,

でちょっと解決策を模索してみるだけでも,
毎日(毎週・毎月)30分かけて行う作業を以後1分で(ボタンひとつでコーヒー飲む間に)終わらせられたり,
自動化され,ミスがなくなったりといったことが普通にあります.
仮に業務に直結した部分でその効果が認められ
速さ,確実さが上がって汎用化されたものになれば,
(自分は高い生産性を保持しているのだから)お給料上げてくれ,っていう交渉もしやすいわけですね.
端的に言えば,
マクロ(含むVBA)使える事務員さんはマジ無敵,なわけです.


ツールの利用で言えば
コマンドプロンプトunixのコマンド(特にfind,grepsedawk)に加え
winMerge,DFなんかを使いこなせるようになると,
ファイル操作,エラーログの検証,モジュール間差異の比較は困らなくなるし,
PL/SQLでテストデータ投入ツール作るだとか,
エクセルVBAでデータ解析ツールを作るだとかすれば,
属人性を少なくしたアウトプットはスグそこです.


当然,
何ができるかもどうすればいいのかもわからないところからのスタートなわけですが,
サンプルを見て試しながらやってみると,
意外とモノになります.


【おわりに】

ネタはもう少しありそうで(特にここ数年で話題になったエントリなど),整理も必要なので,
ざっくり第一弾としてはこんな具合でしょうか.
当然このエントリを熟読しても,

エンジニアデビューオーケー!いい感じ!ローラもハッピー!!!

とはナリマセン
大切なのはNAVERまとめを読むことではなく,一つでも実行することです.


ということで続き(け)ます.

Re:SIerでのキャリアパスを考える ~ここにいても大丈夫?SIerのメリット・デメリット~

はじめに

3月10日,
オラクル青山センターで開催された,
ベンチャー・カフェのイベントに参加してきました.
http://venturecafe.jp/event/engineering/2003/

小生が尊敬するブロガー兼ITエンジニアのござ先輩のブログで存在を知り,
ござ先輩はもちろん,
Seasar開発者でもあるISIDのひがさん,
SIer出身で現在Web系企業にいらっしゃる山岡さんが登壇されるということで
速攻で参加を決意.
実はその日朝から仕事だったことと開始時間を勘違いしていたのもあり,
40分程遅れての参加でしたが,

ブログを書くまでが勉強会

という都市伝説教えを愚直に実行すべく本エントリをアップします.

パネルディスカッション

まずは
SIerでのキャリアパスを考える」スピーチ&パネルディスカッションです.
前述通り前半の話は伺えなかったのですが,
ひがさんがどのようにキャリアパスを歩んできたのか,
何を意識してきたのかを中心に話が進んでいきます.
特にひがさんの話で印象に残っているのは,

  • SIerでモノを作れない不安をどう打開したか
  • 差別化されたエンジニアになるためにどうキャリア形成したか

という2つの話です.

1つ目の“SIerでモノを作れない不安をどう打開したか”という話については,
ひがさんご自身,
早い段階で業務知識を見につけお客様と対等に話せるようになる
(=仕様を決められる)ことを成長の一つと捉えていて,
一方で
自分達で決めた仕様であっても,うまく動かない時に自分で直せないもどかしさ
を抱えていたとの事.
体系的な実力をつけるためにひと通りのマニュアルに目を通し,
会社のリソース・環境を利用しながら
(その頃ひがさんはプライベートでパソコンをお持ちでなかったとのことで,驚きました)
一つづつ前に進んで来たというのは,
今でこそgoogle先生に頼りがちな我々エンジニアにも十分真似できる姿勢だと感じました.
また,
自身だけでは経験できない“リアルな”シチュエーションを
とあるフォーラムで積極的に回答者となることで蓄積してきたというのも,
日々の業務に忙殺され忘れがちな“積み重ねの重要さ”を再認識することができました.

ただしここで忘れてならないのは,何を積み重ねるのか?という話です.
これが2つ目の,
“差別化されたエンジニアになるためにどうキャリア形成したか”
につながります.

差別化されたエンジニアとしてキャリア形成するには?

今,HTML5とか言ってちゃダメ.
今,Railsとか言ってちゃダメ.
とは言え,将来すぎる技術もダメ.
そうひがさんは言い切ります.
#HTML5Railsもロクにできない小生は一旦置いておく

このひがさんの発言は,
キャリア形成,つまり“何を積み重ねるのか”を明確に意識している事に起因していると感じます.
それは,
差別化されたエンジニアとしてキャリア形成するには,
はてブで話題となっている技術やトレンドに飛びつくのではもう“手遅れ”であり,
他のエンジニアとの差別化はできない,
という事をおっしゃっていたからです.
逆に,
将来すぎる技術では誰にも理解してもらえないから,
近い将来きっと必要になり,現時点で開拓者があまりいない分野に集中し,積みあげるべきだ
とひがさんはおっしゃります.
ちなみにひがさんご自身は最近,UI,UXに注力して勉強中との事.
また,インプットを増やしすぎると追いかける事が目的になりがちなので,
ある程度情報を遮断し想いを馳せたり,人と会話する事も大事だ
ということをおっしゃっていて,耳の痛い話でした.

Web系企業の話

山岡さんからは,
ご自身が担当されている役割・業務内容を中心に,
Web系企業でどのような動き・流れがあるかをプレゼン頂きました.
最近ではジェネラルマネージャという立場で採用活動にも携わっているとのことで,

  • サービス,アプリを作っている
  • 自身のコードを公開している
  • ブログやtwitterで発信している

ようなエンジニアは採用でもプラスに働きやすいというお話は,
今後益々出てくる流れなのだろうと感じました.
また,

華やかなイメージのあるWeb系企業に対して誤解を抱いていないか

を摺り合わせる事も意識されているとのことでした.
この“華やかなイメージ”という話に対しては,

  • 収益を上げていくのはなかなか難しい

ということだけでなく,

  • この業界でもSIerのような工程分断がおきつつある

というのがとても興味深い話でした.

ワールド・カフェと懇親会

同席した方々とは,
SIerの良いところ・悪いところ”というテーマで話しました.
テーマの関係上悪いところが中心ではありましたが,

  • 色々な業務を経験できる
  • エンタープライズ向けハードウェア・ソフトウェアに触れられる

といったところが良いところとして挙げられました.
そして途中の席替えでは,なんと登壇者のござ先輩と同席に.
特に小生が日頃からもどかしく感じている
SIerのスピード感のなさ
(極端でもなんでもなく,ソース1行直すのに資料作って説明してQAやってで1ヶ月はかかる)
についてはござ先輩にも共感してもらったこともあり,
中の人がどう向き合っていくのかを考えるいい機会になりました.
これについては小生の中で結論は出ていませんし,
機会があれば掘り下げて,皆さんと共有したいと思います.
ともあれ,
ござ先輩と交換した名刺を励みに頑張ろうと思った次第です.

小生なりの解釈

参加を終えて感じたのは,

SIerという業界構造自体,個人のキャリアとはあまり関係しない

ということです.
ひがさんもおっしゃっていた通り,
会社は個人のキャリアにさほど興味はないから自らキャリアを積む姿勢が重要
であって,

  1. 自分がどう評価されたいと思っているか
  2. それに対し,何にどのように取り組んできたか
  3. それをどのように発信したか

を意識する必要があると感じます.

確かに,
会社で保有する技術に貢献するスキルアップが昇給に結びつかないだとか,
マネジメントのキャリアしか存在しない,
というのはあるかもしれません.
今回の勉強会はあくまで,“ダメ,SIer.”が前提だったので,
どうしてもそこに原因を求めがちですが,
前述したような不満はSIerという大きな構造の問題というよりは会社(経営層)に向けるべきであると思います.
事実,ちょっと見渡してみれば
コンサルテーションから保守・運用まで行なっていたり,
日々活き活きと自分の刀を磨いているエンジニアが評価される会社も少なからずあるはずです.
自身がどのようなキャリアを考え描いているのかによって解決策は異なる(転職するのか,自社でポジションを作るのか)とは思いますが,
結局,シンプルなキャリア論に帰結するのだと思います.


年度末,ということもあり,
自身のスキル・経験を棚卸してみましょう.

Web CAT Studio の勉強会に行ってきたので早速発信してみる

有給だった今日は,
勉強会に参加してきたので感想エントリアップします.

参加したのは,
“半歩前”に踏み出すと、やりたい事が見えてくる ~大企業の中でも出来る「発信力」の鍛え方~
というタイトルの勉強会で,
株式会社リクルートエージェント Web CAT Studioさん主催.
よくATNDで,
最新ITの勉強会を主催されてる粋な方々です.
http://atnd.org/events/25284


場所は銀座にあるリクルートビルで,流石に綺麗.
会場だった最上階の大会議室にはちょっとしたステージもあり,
集まったのは大体50人弱といったところ.
内訳はWeb・IT関係者4割,残り6割は新聞社・広告業界など多岐に渡っていたとかで,
結構な盛況でした.


前半は登壇者の二人が自己紹介もそこそこに,
今回のテーマである「発信力」について話していきます.
もともとのテーマは
“大企業の中でも出来る「発信力」の鍛え方”
だったのですが,どちらかというと
“これまでどのようにソーシャルネットと関わってきたか”という話が中心に.


も執筆されている藤代さんが山本さんに対して
「ソーシャルメディアマッチョ」
と表現していたのは本当に同感で,
twitterfacebookに“うまく乗って来た”人なんだなぁという印象でした.
#欲を言えば,その“乗り方”をもっと聴きたかった


途中のワークショップでは,
「自身で感じている発信力に対する課題」について考え,
その課題を鍛えるためにこれから何をするか,
をグループでシェアしていきます.
そこでも話したのですが,
小生,発信することにはあまり抵抗がない一方,
“そもそも発信する際のスループットが悪い(凝り過ぎor考えすぎてアウトプットできない)”
と感じていて,
“せっかく発信してもリアクションがなかったりするのがもどかしい”
と感じる事があります.
ただ登壇者の2人を見ていると,
ソーシャルネットでの活動,朝活,勉強会にしろ,
まずは自分が楽しいからこそ,気軽にやっているんだなぁという印象を受けました.
言い換えれば,
具体的なゴールがあってそれを実現する手段としての今この手段を用いているという,
自己実現セミナーのようなアプローチとは異なるように感じました.


なので本題の“発信力”についての小生の結論は,
 オッス!オラ◯◯!いっちょやってみっか!
であります.
感想エントリをこちらのブログにアップするのも,
課題に対しての取り組みの一環,というわけです.


懇親会については,
知り合いの知り合いだった方が参加されていたり,
周りの方々がどんな取り組み方をしているのかを伺えたりと,
ただただ楽しく過ごさせてもらいました.
自身に閉じるのはもったいないなぁと,
刺激を受けて帰ってきた次第です.


というわけで,
次につなげて行きましょう.